コラム
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欠ける人出っ張る人
- 心の健康に関するコラム
- 2011.11.17
☆欠ける人出っ張る人☆
「何をどうやってもあなたの存在価値がない」というメッセージを受けながら育ってくると、心の傷・穴が残ります。
生きていることへの不安や罪悪感を埋めよう、一定のもので満たそうとしています。
一方「ある一定の条件をクリアすればOK」という評価を受けて育つと、本来の自分を偽ってまで頑張ってエネルギーが飛び出ています。
一般的に前者は「依存」によって穴を埋めようとし、後者は「共依存」(依存者のために、なくてはならない存在と錯覚し、それを生きる自信にしている)によってエネルギーを受け止めてもらおうとします。
依存者と共依存者は一見親密な関係に見えますが、お互いにいつまで経っても自分の穴が埋まらない感じがしています。それぞれの人の傷は、他の誰かや何かでは埋まりません。
私は母による過保護状態で育ったため、その異常さから抜け出し親子の適度な距離と関係を作るために摂食障害になったりうつになったと、その意味を実感しています。
母は「この子(玲子)には私しかいないんだ!」と過剰な責任感があったと言います。共依存です。
そんな状態が苦痛で就職してやっと家を出て、しばらく連絡を絶った後我が子が病気になったと知った母は、当時私が通っていた心療内科に訪れて共依存の講習会に参加し、病気の意味と自分のしてきた行動や気持ちを振り返りました。
本当の親密とは、自分の穴は自分で埋め、自分の出っ張りは自分で処理し、お互い適度な距離を持って尊重し合うというのが理想です。
相手は自分とは違う意思を持った人間です。
相手のために、相手本意の時間を与えること、
自分の言ったことに責任を取れること。
「信じる」の反対は「心配する」です。
心配なのは、信じていないからです。
どうしても心配ならば、自分自身に「何が怖いの?」と問いかけてみては…。
子育てや部下を育てる時に気にかけてみると発見があるかもしれませんね。
今は色々ときっかけがあって、母娘いい距離で仲良くやっています。
私は母にノーと言っても関係が壊れないことを知り、母は私の意思を受け止めるだけの距離を取ることを学んだからです。
共依存についてはまた。