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【便秘解消】ヨガ・ピラティスで腸の健康づくり・エクササイズ8選

  • 身体・姿勢・健康に関するコラム
  • 2025.09.05

【便秘解消】ヨガ・ピラティスで腸の健康づくり・エクササイズ8選

■著者:美宅玲子(ヨガ・ピラティス・美姿勢インストラクター)HP: https://mitakureiko.com

 

  • お腹が張っているのに便が出ない
  • 便秘がちで肌が荒れたりイライラしたりする

症状が気になることはありませんか?

長時間便を腸にためていると、毒素や老廃物が血液中を巡ったりガスが溜まったり出たりして、体の健康を害するだけではなく

頭の働きが鈍ったりイライラしたり落ち着かなかったりと、心の健康を害することも分かっています。

 

  • ヨガは心身の健康に役立つというけれど、便秘解消に役立つポーズはある?
  • ピラティスは腹筋を使うけれど、それが便秘解消や腸の健康にも役立つ?

今回は

  • ヨガ・ピラティスが便秘解消に対して作用する関係
  • ヨガ・ピラティスで腸を健康にし、便秘解消に役立てる方法

をご紹介します。

 

1.便秘解消のヒント・腸の健康は自律神経と連動している

便秘の原因には

  1. 食事や運動、睡眠など生活習慣
  2. 心理的ストレス
  3. 環境変化による自律神経の影響

等があります。

 

  • 水溶性食物繊維と水分を摂って(不溶性食物繊維のとり過ぎは、かえって便秘を招く可能性がある)
  • 適度な運動を続け
  • 十分な睡眠を心がけ

ても解消しない便秘の場合

心理的なストレスや環境変化等に「自律神経」が影響を受けていることがあります。

 

自律神経は、名前の通り意識しなくても働いている神経で、呼吸や内臓の動きなど

生きるために自律して働いてくれています。

主に腸(消化吸収)は副交感神経が優位な時に動きます

 

一方で自律神経は、精神的なストレスや環境の変化の影響を受けて、簡単に交感神経が優位な状態になります。

緊張状態(交感神経が優位)が続くと、消化吸収をつかさどる腸の働きが不規則になり、便秘(人によっては下痢)になります。

 

腸の健康は、自律神経のバランスが取れることで保たれると言っても過言ではありません。

 

2.ヨガ・ピラティスが腸の健康・便秘解消に役立つわけ

■深い呼吸で自律神経の働きを整える

ヨガ・ピラティスは呼吸に合わせて動くのが特徴です。

  • 吸う息は交感神経
  • 吐く息は副交感神経

意識して深い呼吸を行うことで、自律神経のバランスを整えます。

 

腸の働きは主に「副交感神経」に支配されていますが、現代人はストレスの多い生活を送るため「交感神経」に偏りがちです。

ヨガ・ピラティスを定期的に行うことで、両者のバランスを整え、腸の働きを正常にします。

 

■身体の前面を伸ばすことで「胃の経絡」を刺激する

ももの表・お腹など「身体の前面」には「胃の経絡」が通っており、刺激をすることで消化機能を助けると言われています。

ストレッチをすることで、腸も刺激をされて、血流が良くなり本来の機能改善に効果的です。

 

■体側を伸ばすことで「胃腸の血行」を促す

体側を伸ばすと、中にある内臓を刺激して血行を促します。

例えば右側には肝臓が、左側には胃があり、その下に左右とも腸があります。

普段は重力と猫背姿勢などの影響で、胃腸はつぶれて動かない状態にあるので

体側をストレッチすることで胃腸の血行を促して代謝を高め、便秘を予防します。

 

■背骨をねじることで「内臓の血行」を促し自律神経の働きを整える

背骨をねじるポーズ・エクササイズは、自律神経(背骨に沿って伸びている)周辺の筋肉をほぐし自律神経の働きを整えます。

腸の動きは自律神経に支配されているため、自律神経の働きを整えることで腸の働きを正常にします。

またねじることで内臓を直接刺激でき、ねじったり解いたりを繰り返すことで内臓の血行と働きを促します。

特に腸の働きに直結し、便秘の解消に役立ちます。

 

■腹筋を鍛えることで「腸の蠕動運動」を促し自律神経の働きを整える

便秘になる原因のひとつに『腹筋を使わない姿勢/生活』『腹筋力が弱い』ことが挙げられます。

上体起こしや足上げなどの腹筋運動をする・ヨガやジョギングなど脚を大きく動かして腹筋(大腰筋)を使う

腸がマッサージされて、蠕動運動を助けます。

腹部に適度な力が入ると肩の力が抜け、精神的な緊張をほぐして副交感神経の働きを良くし

ダブルで腸の働きを良くする効果が期待できます。

 

3.便秘解消に役立つヨガポーズ4選

①うつ伏せお腹マッサージ&弓のポーズ

うつ伏せになり、両つま先を立てて前後に身体を揺すります。胃腸のマッサージになります。

両手を前に伸ばし、両膝を曲げて、それぞれつま先または足首を手で持ちます。

息を吸いながら膝を蹴り上げ、かかとをお尻から遠ざけます。お腹を伸ばすことで胃の経絡を刺激します。

呼吸を3~5回ゆっくり繰り返します。息を吐きながら手足を緩めて離します。

両手で床を押してお尻をかかとに向かって引き、子供のポーズでお休みします。

▼動画はこちら

 

②マーメイドのポーズ

両膝を右に倒した横座りになります。もし膝や腰が痛い場合は、あぐらや長座でも構いません。

息を吸って右腕を持ち上げ、吐きながら上体を左へ倒します。

無理なく気持ちよく右体側が伸びるのを感じながら、自然な呼吸を3~5回繰り返します。

上体を前後に揺らしても構いません。

 

また、余裕があれば左腕を大きく回すと、さらに体側周辺を大きく伸ばすことができます。

息を吸いながら上体を中央に戻し、反対側も同様に行います。

内臓の血行を促す体側のストレッチができるヨガのポーズです。

▼動画はこちら

 

③ワニのポーズ

仰向けに寝転がり、息を吸いながら右ひざを胸に引き寄せます。

吐きながら右ひざを左へ倒し、顔は右を向きます。

右脚と右腕の重みを感じ、リラックスしながら3~5呼吸繰り返します。

息を吸いながら右ひざを中央に戻し、吐きながら脚を伸ばします。

反対側も同様に行います。

 

背骨をねじることで自律神経の働きを整え、内臓のマッサージをして腸の蠕動運動を助けます。

▼動画はこちら

 

④すきのポーズ

仰向けになり、両膝を立てます。両手で床を押してお尻を持ち上げ、両手を腰に移します。

息を吐き、両手で腰を押しながら無理のないところまでお尻を持ち上げます。

両脚を頭の向こうへ伸ばし、余裕があれば両つま先を床に着けてかかとを突き出します。

※もしお尻が落ちてきてしまう場合は、お尻の下にこぶしを置いて、低い位置でキープしましょう。

呼吸を自然に3~5回繰り返します。

息を吸いながらゆっくりとコントロールしてお尻を下ろします。

お尻が床に着いたら、腹筋を使ってゆっくりと脚を前から降ろします。

 

胃腸のツボがある背骨周りを柔軟にし、内臓のマッサージになるポーズです。

▼動画はこちら

 

4.便秘解消に役立つピラティスエクササイズ4選

①胸式呼吸

骨盤から背骨をまっすぐ垂直に伸ばして座ります。

座面に敷いてあるティッシュペーパーを骨盤底でつかんで上に引き上げるようにイメージをしたまま(骨盤底の引き締め)

肋骨周りに息を吸います。

前後左右360度方向に肋骨が広がり、肩は上がらないようにリラックスします。

肋骨を寄せるように意識をしながら息を吐きだします。

姿勢を保ち、骨盤底(下腹)を引き締めたまま、この呼吸を繰り返します。

 

腸が入っているお腹周りを刺激し、深い呼吸で横隔膜&自律神経も刺激できます。

▼動画はこちら

 

②スワン

うつ伏せに寝転がり、恥骨を床に押し付けてお腹を凹ませておきます。

息を吸って、吐きながら背骨を前に伸ばしながら上体を持ち上げます。

吸いながら元に戻します。この動作を5回繰り返します。

 

※手の力を使わないようにしましょう。常にお腹を凹ませ、反動を使わないようにしましょう。

胸が開き、身体の前面を伸ばすことで、胃の経絡を刺激し消化機能を助けます。

また、常にお腹を薄く保つことで腸の動きを助ける筋肉を鍛えます。

▼動画はこちら

 

③スパインツイスト

長座かあぐら・正座などで骨盤を立てて座り(坐骨を垂直に)、背骨を垂直に伸ばします。

両腕をみぞおちの高さで重ね、お腹を引き締めたまま肋骨に息を吸い、吐きながら右へ背骨をねじります。

肩は下げてリラックスし、お腹を凹ませて絞るようにイメージしましょう。

吸いながら正面に戻り、反対側でも同様に行います。左右5往復繰り返します。

 

背骨をねじるエクササイズで自律神経の働きを促し、内臓のマッサージ効果も与えます。

 

④ロールダウン・ロールアップ

長座で座り両腕を前に伸ばします。

お腹を薄くしたまま胸に息を吸い、吐きながら骨盤を後ろに倒して床に着きます。

さらに背骨を下から一本ずつ床に下ろし、頭まで寝転がります。

胸に息を吸い、吐きながら腰で床を押し、頭から背骨を一本ずつ滑らかに持ち上げます。

反動をつけたり、脚を浮かせたりしないようにしましょう。手で床を押しても構いません。

 

お腹を凹ませながら腹筋を鍛えるエクササイズで、腸の蠕動運動を促し便秘の解消をします。

 

5.まとめ

便秘の原因には、食事や睡眠・運動などの生活習慣とストレスによる自律神経の乱れが大きく関わっています。

ヨガ・ピラティスは、呼吸に合わせて集中しながら体を動かし、腸の蠕動に直接刺激を与えるほか、自律神経に働きかけストレスを提言するなどして便秘解消に役立ちます。

自律神経は規則正しい生活とリズムある呼吸・体の動きによって整えやすくなります。

朝や夜など、ご自身で取り入れやすいタイミングでバランスよくポーズやエクササイズを選んで行ってみてください。

ポーズやエクササイズを楽しみ味わい、あまり自分を追い込まないように気軽にどうぞ。

 

■著者:美宅玲子(ヨガ・ピラティス・美姿勢インストラクター)

大学卒業後小学校教員となるも、心の不調で退職。心身の健康を求めてヨガ・ピラティスインストラクターの道へ進む。

心の不調を克服しただけでなく、正しい身体の使い方を身につけることで、長年の腰痛や反り腰・頸椎症・胃腸の張りなどを克服できることを知る。

姿勢改善を重点に置いた独自のエクササイズ・分かりやすい指導に定評がある。アウトドアヨガによるリトリートも長年行う。

◇インスタグラム https://www.instagram.com/reikomitaku/

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